P.S.
Vol.02 素材に胸を躍らせる。

学びながら、作っていく。
カラフルで、わくわくする素材たち。
素材を知ることで、問題にも気付かされます。

素材を知ることから、
始めてみよう。

プライベートでもバッグや巾着を手作りする、プロデューサー加藤小夏。
最近では手芸需要も高まって、この浅草界隈にある金具や革の問屋さんも個人に向けて販売をしてくれるところも多いそう。
「場合によっては、ロゴを入れたり、形を変えたり、オリジナルで金具をつくることもできますよ。」
リグラボ増成さんのそんなヒントに、真剣に耳を傾ける加藤。
早速、新たなプロダクトへのアイデアも広がりそうです。

専門的な知識も、
少しずつ学びながら。

リグラボさんの新人さん用に作ったという資料を、特別に見せていただきました。
「例えばスナップホックなど、一見同じように見えて、それぞれに名前がついているんです。構造によって強度も違うので、正しい使い方をすることが大事なんです。知ってしまうと、お店に並ぶ商品を見ても、見方が変わってしまいますよ。( 笑) 」
と増成さん。

素材を前にすると、
わくわくが止まらない。

工房には、胸をくすぐる様々な見本帳が。広げた瞬間「わー!」と思わず声をあげる加藤。
例えばファスナーは、見本帳からはもちろん、好きな色に染めることも可能だそう。
大好きな素材見本を前に、加藤も笑みが溢れます。

残していきたい技術。
私たちにできること。

見たことのない素材も教えていただきました。
数々の素材を知る増成さん曰く、京都は、素材の宝庫。
刺繍やプリントなどの二次加工も長けており、昔からある技術でも、今見てもとても新鮮。
和紙とプリントを掛け合わせたという生地は、洗ってもプリントが落ちない、特別な技術によるもの。
職人さんによる手すき和紙でしかできないものなのだそう。
ご自身もこの生地のジャケットを、20年間大事に使っているという増成さん。
貴重な技術や、職人さんの手間のかかったものを、愛着を持って、永く大切に使っていく。良さを伝えていく。
それも私たちにできることのひとつだと、改めて気付かされます。

世界中が取り組むいま、
私たちは。

昨今唱えられているサスティナビリティ。
その範囲は広く、この工房でも常に新たな素材への知見を増やしているそう。
蜘蛛の糸を使った繊維や、きのこの菌糸を使った革など、思わず耳を疑ってしまうような珍しい素材も。
「牛は、育成して革をはいでと、当然とても時間がかかる。一方で、きのこは3 日ほどでできてしまう植物性レザー。菌糸が広がった繊維を、革と同様になめしていく。海外では製品化もされています。」と増成さん。
素材を知っていくほどに、いま私たちにできることってなんだろう、そう考えずにはいられません。